10月1日、ホモコントリビューエンス研究報告書[第7号] を刊行しました。

[テーマ] 先端医療時代における命 ―意識障害の回復と脳蘇生の実践―
[講師]  林成之 (日本大学大学院総合科学研究科教授)
[研究会開催日] 2005年3月20日

研究会開催時の様子はこちら

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【目次】
Ⅰ はじめに
– なぜ救急医療にはいったか
Ⅱ 講演
2.1 どうやって医者の腕をあげるか
– 医術もスポーツも「達人」に鍛えるのは同じ
2.2 医学教育にかけている「育」
– IQよりもEQ
– 救急センターのアカデミックバトルでは指導者が叱られる
2.3 患者が教えてくれた宝物
– 脳の温度40度が、血圧の差7mmHgが生死の決め手に
2.4 脳のはたらきについての新しい気付き
– 脳の温度管理
– 脳、心臓を守るための血圧、血糖の変化メカニズム
– 酸素のはたらきについての新しい発見
2.5 新しい治療システムの試み
– 低体温療法について新しく分ったこと
– 摂氏24~28度では心臓は止まっても脳は生きていた
2.6 低体温手術の真髄は管理・制御技術にあり
2.7 低温療法のその後の進展
– 分かってきた低脳温療法のメカニズム
– 心臓も呼吸もとまった患者が2週間後意識を取り戻すのに成功
– 救急医療専門の看護士養成が急務
– 脳死も心臓死も日本ではまだ議論不足
– 交通事故の専門家を倍増したら交通事故の死者は半減するか
2.8 意識障害について新しく知ったこと
– 分ってきた臨死体験のメカニズム
– 植物症について建てた仮設:ドーパミンA10神経系の重要性
– 植物症の患者に音楽を聞かせると
– 植物症の患者を抱きしめたら
2.9 忘れられないヒューロバート・ロゾモフの先生の一言
2.10 最先端の科学専門分野間のクレバスを飛び越える新しい大学への挑戦
– インテグレート・ライフ・サイエンスの試み
Ⅲ 討論
– 抱きつきで植物症患者が意識回復するには家族の居合わせることが不可欠
– 日本のサイエンス社会の統合的ビヘイビアを開く鍵
– 当面日本の縦指向を破れるところは医学では救急医療だけか
– 仏教思想の命の三要素、寿・煖・識と現代医学の生命・意識
– 唯識からみた現代のデータによる死の判定についての倫理的疑問
– 性格がネアカな人は植物症が治りやすい