5月30日、ホモコントリビューエンス研究報告書[第8号] を刊行しました。
[テーマ] 西洋思想における自他
[講師] 加藤尚武 (哲学者、京都大学名誉教授)
[研究会開催日] 2005年7月17日
【目次】
Ⅰ 食中座談
Ⅱ 講演
2.1 デカルトの自他を巡って
– デカルトの人間像:もともとは哲学より眼鏡の製造技術で知られた
– 中世を上手に生きたデカルト
2.2 アダム・スミスについて:ズブズブの常識家
2.3 カントは自他をどう考えたか
2.4 ヘーゲルにおける自他
– 相互作用の無限性:哲学から脳科学まで
– ヘーゲルの共同主観性に身体性は出てきているか
2.5 ヘーゲル以後の注目すべき自他の哲学
– ブラッドレー
– 日本人の哲学者への和辻哲郎の影響
– デカルト的な自我の思想を展開したフッサール
2.6 西洋式他我論追補
– 刷り込み説について
– 他我存在に関する西洋哲学についての誤解
Ⅲ 討論
3.1 デカルトを巡って
– デカルトの共通性とボン・サンス
– デカルトの「精神」のハードウェア的要素
– 望遠鏡、顕微鏡の発明とアリストテレス主義
– 宗教の時代におけるデカルトの苦労
– デカルトの開いた世界
– デカルト主義とフッサール、レヴィナス
3.2 自者と他者との関係について
– 自者と他者とのインタラクション
– 脳科学からのアプローチ
3.3 デカルトへの宗教的圧力
– モラール・プロヴィゾワール:危険をかわしたデカルト
3.4 デカルト哲学に貢献した手紙による学問論争:メルセンヌ・アカデミー
3.5 現代日本の教育への反省
– 半数をよくして残り半数を駄目にするプラスマイナスゼロの今日の日本の学校教育
– 創造性と脳のしくみ
– 感情を取り込みながらの記憶トレーニングで違った脳みそが出来る