1月31日、ホモコントリビューエンス研究報告書[第19号] を刊行しました。

[テーマ] 科学・文明と貢献心 ― 意識、感情、脳と心
[講師]  谷川多佳子 (筑波大学大学院人文社会科学研究科教授)
[研究会開催日] 2010年7月18日

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19r1

【目次】
1 東西の意識について
1.1 はじめに
1.2 日本の自我と西洋の自我
– 「私」の言語表現からの比較
– イスラームまで拡げて西洋を考えると
– 修行、訓練の意味
1.3 「おそれ」について
– 反宗教地下文書にみるさまざまな「おそれ」
1.4 利他心、意識、貢献心
– 日本の主要な哲学用語をつくった西周
– 意識という言葉の由来
– ラテン語コンスキエンティア(conscientia)のcon-の含意
1.5 注目すべきヨーロッパの宗教・哲学批判書とその翻訳書を巡って
– ピエール・ベール、ドン・デシャン
– ベールとロックの寛容論

2 脳とこころの理論を考える
– 神経学者ダマシオの感情論からデカルト、スピノザへ
2.1 ダマシオの提起した脳とこころの問題
– ダマシオのデカルト、スピノザの評価
– デカルトの松果腺
– 感覚・知覚といかに考えるか
– こころは創発現象である
– 一元論と二元論の分かれ目
2.2 機械に心は考えられるか
– 創発からロボットと人間を考えると
– 主要な四つの問題軸
2.3 全体討論
– 意識とは何なのか
– 物質と情報の境目

3 北アフリカの訪問から
3.1 チュニジア、モロッコ、モーリタニア事情
3.2 北アフリカ地域の諸問題:砂漠化、水問題、イスラム
– イスラーム文明の表れ方
– 北アフリカの安全度